こんな溺愛、きいてない!

「だれかさ、
好きなひとでも出来たら
凛花も変わるかもしれなよね」


「そうそう、
だれか気になる人、いないの?」


ふたりの言葉に
大きく首を横に振る。


「全く」


「うーん、例えばこのなかだったら
誰が好き?」


亜由が手にしていた雑誌を
バンと開いて私に差し出した。


「ぶほっ!」


突然、視界に飛び込んできた
鈴之助の甘ったるい笑顔に
息が止まりかけた。