あれ?

まだ、誰もきてない……のかな?


約束の時間10分前に
待ち合わせ場所に到着したものの、

指定された改札口の前で立ち尽くす。


メッセージを確認しようとしたところで、
高山先生が現れた。


「待たせてごめんな。

会長は都合がつかなくなったらしくて、
副会長ふたりは少し遅れるって。

会計の奴は
試合のあとから合流って言ってたかな。

どうする、ここで待つ?
それとも先に作業すすめておく?」


「あ、どちらでも大丈夫です」


「じゃ、少しでも早く作業が終わるように、
ふたりで進めておこうか」


小さく頷いて、先生の後を歩く。


「俺、実家暮らしだから、
普段は親とかいるけど」


その一言にかすかにホッとする。


さすがに、先生とふたりきりは
ちょっと謎のプレッシャーが。


話すこともないし。


早く、副会長さんふたりも
合流してくれないかな……


そんなことを考えていると、
小ぎれいな一軒家の前で
先生が足をとめる。