日曜日、
出かける支度をして玄関に向かうと、

鈴之助が目をしばたかせる。


「あれ、凛花でかけるの?」


「鈴之助、今日はお休み?」


鈴之助が
こんな時間に起きてるなんて、
珍しい。


「これから北海道でロケ。

でもその前に凛花と一緒に
飯食いに行こうかなと思って、
起きたんだけど」


「ごめんね、会計のお手伝いで、
集まりに行かなきゃいけなくて」


「そっか。
じゃ、俺も出かけてこようかな」


大きく伸びをした
鈴之助を見上げて、

ハッとする。


「あ! 鈴之助! 
あの化粧品の広告見たよ! 

鈴之助、すごくカッコよかった!」


すると、
鈴之助の煌めくアイドルスマイルが
すぐ目の前で炸裂する。


スウェットを着ていても、この輝き!
さすが、アイドル。


「凛花、それ、一番、嬉しい!」


「うん、うん、よく頑張ってるね」

こうして
家の中でニコニコ笑ってるときは、
いつも通りの可愛いさなのに

仕事になると、
あんなに大人びた表情ができるなんて

やっぱり鈴之助はすごい。


「俺、もっともっと
カッコよくなるから、

凛花、ちゃんと、見ててね?」


キラキラの弾ける笑顔を見せる鈴之助に
大きくうなづいた。