「あ、クーラーつける?」


「……お願いします」


強制収容された遥先輩の車のなかで
ぐったりとうなだれる。


はあ。


なんだか完全に遥先輩のペース。


どうやったら、
この濁流に抗えるんだろう?


窓の外をぼんやり眺めると、

ビルにかかる大きな広告に
鈴之助の姿があった。