こんな溺愛、きいてない!

「で、メイクは嫌なのね?」


じっと亜由に見つめられて、
大きく頷く。


「私はとにかく、なんていうか、
本当に目立ちたくなくて。

その一言につきるっていうか」


「じつは絶世の美少女だったりして!」


「あ、それはないから大丈夫!」


自信をもって、ふたりに即答。


小さいころから
『可愛いわね~』と言われるのは
もっぱら鈴之助の役目だったし、

私はその可愛い鈴之助の手を
ひっぱっていられれば満足だった。


それが、あの可愛かった鈴之助が、
今や誰もが知ってる
国民的アイドルグループの
リーダーなんて!