両手で片耳を押さえながら、
遥先輩に怯えた視線を送る。


「甘噛み。凛花がかまってくれないから」


どっちが犬なの⁈

って、そこじゃないけど!


「りーんかちゃん!」


ぷい。


「もう噛みつかないから、こっち向いて!」


「会話がおかしい!」


でも。


「どうした?」


「なんでも、ないです」


パッと目を逸らして下を向く。


その自家発電的な眩いオーラ、
どうにかならないかな。


甘いキラキラの笑顔をサラッと見せるのは、
反則だよっ。


もうちょっと、自制してほしい!


そうじゃないと、

思考が停止して、

心臓がバクバクして、

顔が熱くてたまらない。