「白石さん、
会計補助引き受けてくれて、
ありがとな」


帰り際、高山先生に
爽やかな笑顔を向けられて
ぺこりと頭をさげる。


「あ、いえ」


クジ引きだから、
こればかりは仕方ない。


「数字確認したり、
細かい作業も多いから、

安心して任せられる生徒が
受け持ってくれるといいなって、
思ってたんだ。

白石さんで安心したよ」


「お役に立てるか、
わかりませんが」


会計補助なんて、初めてだし。


でも、高山先生の人気が高いのは
こういうところなんだろうな。


はずれクジ引いて
落ち込んでいたけれど、

先生の言葉に
ちょっとだけ救われた。


やっぱり、いい先生だな。


ぺこりと頭を下げて
その場を離れようとしたところで、

引き止められた。