すると、耳もとで
遥先輩が甘くささやく。


「なんとなく、なんて
ウソに決まってんだろ。

凛花ほど可愛い女を
俺は、ほかに知らない。

だから、俺は、凛花がいい。
凛花じゃなきゃ、嫌だし。

つうか、他の女とか、
別にどうでもいい」


うう、
膝から力が抜けていく……


「お、お願いだから、
とにかくはなして!」


涙目で必死に懇願!


だって、ここは、
ひとの行き交う昇降口の真ん中で。

そんな場所で、
学校一目立つ男に、

捕獲されて、首筋にキスされて、
甘い言葉をささやかれ。

公開処刑……!


そして、心臓は爆発寸前……


とにかく、無駄にキラキラと
光を放つその笑顔、

もう少し自粛してくれないと、
本当に、心臓がもちません……