こんな溺愛、きいてない!

中学時代、

学年でいちばん物静かなメンバーを探して
声をかけてみたところ、

そこで繰り広げられる
職人ばりのディープな世界観に、

凡人脳の私は
まったくついていけなかった。

素人の分際で、
職人気質のみんなの仲間に
入れてもらおうなんて、
図々しいにもほどがあった。


「それにさ、
見た目で友達を選ぶなんて
わりと最低っていうか」


ぐっさり。

本当に、
まったくもって、そのとおり。


「派手な見た目でもイイコはいるし、
地味な姿形で、
とんでもないことしてる子もいるしね」


あまりの正論に、

これまで見た目の印象を重視して
友達を選んできた自分がいたたまれない。


「いや、なんか、
もう私、……最低っていうか」


「は? 凛花、
なんでいきなり落ち込んでるの?」


「結構、見た目で友達を選んできたかも」


最後はもう、かすれた声も消えかかり。


「ま、それも真実でしょ? 
でもさ、見た目だけじゃないってこと!」


ああ、
どこまでも
このふたりは本当にいい子……

もう、声を大にして言いたい。

可愛いだけじゃなくて、
このふたり、本当にいい子ですよって!