こんな残念なひとに、
ほんの一瞬でも、
淡い恋心を抱きかけてたなんて、

私、変なものでも食べちゃったのかな。


「凛花のことが心配だから、
言ってるんだろ」


ぷい。


私なんかにかまってないで
チア部の先輩たちのところに
行けばいいのにっ。


もし私が男だったら、

絶対にチア部の先輩たちの方が
いいと思うもん。


可愛いし、明るいし。


地味でなんの取り柄もない
私といるより

絶対、楽しいと思う。


だめだ、
どんどん卑屈になっていく。


そのくらいに、
遥先輩と一緒にいると

自分に自信がもてなくなっていく。


「どうして、
遥先輩は私にかまうの?
もっと、ほかに……」


さすがに、
その先を続けるのはしんどい。


すると、
遥先輩が足を止めて考える。