「あのな、
本郷社長に協力してもらって、
『奇跡の美少女、ついにデビュー!』
ってことで、架空の存在を
つくりあげることにしたんだよ。

こそこそと探し回られるくらいなら、
モデルとして堂々と登場したほうが、
お前の日常が安全になる。

カラコン入れて、髪色変えて、
メイクして衣装も身に着けるから、
学校の奴らがみても気づかないはずだ。 

出回ってる写真は過去のものとして、
名前も年齢も含めて
プロフィールも全くの架空の存在を
つくりあげて、

形式上、売り出す」


……形式上、売り出す?

遥先輩の言っていることがわかるような、
わからないような。


すると、妖艶な雰囲気をまとって、
本郷社長が近づいてくる。

その強い香りと重厚な存在感に
またまた意識が遠のきかける。


「凛花、しっかりしろって」


遥先輩に肩を支えられて、
なんとか立っていられるこの状況。

なにが
起こっているんだろう……