「あのさ、凛花にひとつ提案。
朝のランニング、かったるいから
やめようぜ」


なぜここで
突然、ランニングの話⁇


「遥先輩はやめてもいいよ?」


「つうか、毎朝、面倒じゃん。
眠くて勉強できなくなる」


「勉強できなくなるなら、
やめた方がいいと思う」


むしろ、どうして今まで
一緒に走ってくれたんだろう?


「凛花は続ける?」


「うん、気持ちいいから」


「だったらさ、
俺がもっと気持ちいいコト
教えてあげるから、走るのはやめたら?」 


「結構です。
むしろ健全に走りたい」


遥先輩の思考回路って
どうなってるんだろ。


「でもさ、面倒くさくね?
毎日走るの」


「でも、ずっと走ってるし、
やめるつもりもないし」


「……だから、
やめろって言ってるんのが、
どうして分かんねぇんだよっ!」


突然声を荒げて
テーブルをバンっと叩いた遥先輩に、
驚いて目を見開く。