こんな溺愛、きいてない!

そのとき、
デザートがワゴンで運ばれてきた。

『お好きなものをどうぞ』と
色々と勧めてもらって、もう夢心地!


「はるかちゃん、こ、こんなに
美味しいケーキ、
食べたことないっ!」


「良かった」


口のなかで溶けていく
デザートをうっとりと味わっていると

遥先輩が黒い瞳を甘く潤ませて
優しく笑う。


くっ、だめ、ドキついちゃ
ダメ、絶対!


なんだかもう
慣れない環境に緊張するし、

どうしようもなく
恥ずかしくて、

必死に遥先輩から
目を逸らした。