そう言ってナカタのネクタイを引っ張る。
「っちょ!!アカネ!!!」
「なにさ。」
ネクタイをほどき結び直してると頭上から聞こえる焦った声。
中学にあがるまで私とそんなに変わらなかったはずのナカタの身長は、中学二年生の頃には追い抜いて、いつの間にか175センチになったらしい。
157センチの私と並ぶとだいぶ高く感じる。
見上げる動作も気づけば当たり前になっていた。
「.....てかなんで結べんの。」
「渚にぃに時々やらされる。」
「.......あ、なるほど。」
そんな会話をしながら黙々とナカタのネクタイを結ぶ。
「ん、よし。」
ネクタイを結び終えて、不意に見上げると口を抑えて上を向く幼なじみ。
「おわったけど.......なに、どしたの。」
意地でも合わない目。
「.......いや、ありがとう。」
だからそういうナカタがどんな表情をしていたか、私は知らない。

