御堂くんとは一年生の時から同じクラスで
こんな光景は何度も何度も、心の中で同情するくらい見てきた。
決まって、そのピアスに触れようとする人間に対しては
誰であろうと冷酷な無表情をするのだって見てきたし、気付いてしまっていた。
(…なんで、あの色なんだろう)
――…わたしは無意識に自分の手首に触れ、ブレスレットの存在を確かめる。
底知れない虚無感にぎゅっと唇を噛むと、リップグロスの艶はもうすでに失せていた。
女子たちは知らないのだろう。…普通、気にもしなくて当然か。
御堂くんの両耳に鈍光を放つピアスは、厳密に言うと「紫色」では終わらない。
――…すみれ色。
紫に青みを足した、バイオレットカラーなのだ。
ガタッ
「あっ、やべ――…」
ガシャンッ!!