「…え?」
「まずとんでもなくキャラがかぶってるでしょお?しかもりりかは超美人だから莉菜が目立たないの。こっちはほんとの性格なのにくやしーって感じぃ」
「………」
「…や、1割くらい冗談だけど。学校が同じなだけで別に仲良しではなかったんだぁ」
「そうなの…?りなりなって呼んでるって…」
「あ、それも。りりかは“みんなの前”ではりなりな呼びだけど、ふたりになると笠井さんって普通に呼ぶの。しかも目ぇギラギラで。ちょーこわいよっ」
莉菜の話では、花村さんが莉菜に似ているのは作られたキャラクターらしい。
…しかも莉菜の場合は地の性格なので、一緒にされたくないとも力説していた。
「花村姉妹はねぇ。昔から超美人だけど目が全く笑ってないって有名だから」
「姉妹、」
「うん。姉のすみれ、妹のりりか。お姉さんは特に高嶺の花って感じでめちゃくちゃ可愛いんだけど、目が怖いの」
「……すみれ…?」
「って、人のこと悪く言っちゃ失礼だよねぇ。内緒だよっ」
――…すみれ。
…お母さんと同じ、素敵な名前だ。
唇に人差し指を当てた莉菜に、わたしはゆっくり頷いた。
…やっぱり、花村さんと話がしたい。