時々、無性に自分に嫌気がさす。
世論では麗蘭街に行くこと自体良いこととされていない。…世間体や他人からの印象を気にしてばかりいながら、結局わたしは麗蘭街に居るのだ。
…何度も「これが最後」と思って足を踏み入れてきた。莉菜に嫌われたくないなんてものは言い訳で、いくらでも断ることは出来たというのに。
見えない感情の波にさらわれては、いつも思う。
「朱里、お腹空かない?ご飯食べに行こ」
「いいね。莉菜何が食べたい?」
「んー、今日はとりあえず初めて行くお店がいいなっ」
「東通りと北通りはダイニングバーとバルばっかりだから、…大通りか西か南か」
「せっかくだから大通り行っちゃおうよ、高層ビル間近で拝めるかもっ」
「あははっ、そしたら大通りね」
「はぁーいっ!」
わたしは何がしたいのだろう。
わたしの本心は、一体どこに在るのだろう。