「………、えっ……?」
「…いや。むしろ早い方だったんじゃないか、
――…紫月」
……何が
……何が、起きているの。
「柚葉も。今回ははっきり言って怒ってるよ?」
「あ…う、うん、ごめんねお兄ちゃん」
目の前の混じりけのない金色の短髪を
綺麗で、崇美で、溢れ出る色艶を
そしてあの日、わたしがそれらに触れたという事実を
すべてを、鮮明に覚えている。
「朱里」
「…紫月、…さん」
「うん」
「…ほん、もの」
「偽物がいたら連れてきてほしいな。ぶっ潰すから」
…わたしは、彼にもう一度会いたくてここに来た。
今日は無理だろう、でも月末の金曜日ならこのお店に来ると店員さんが教えてくれたから、その日に向けて話したいことを考えておくんだ、って。
こんなに早く再会できるなんて、夢みたいだ…っ。