「……うわ…」
先生がそう言った瞬間のわたしの顔は、完全に引きつっていたと思う。
自分は誰とペアになるのかとざわめきが増す教室で、わたしはため息をつくしかなかった。
…だって、
だって…!
「ってことは御堂くん…水城さんと?」
「そうだ!いいなー羨ましい」
「あたしも名字みから始まるのが良かったっ」
…四方八方から聞こえる羨望の声。女子たちの眼差し。それに耐えられる度胸など、あいにく持ち合わせていない。
だから嫌なんだよ出席番号順。大体新学期シーズンはそうなると分かってたけれども。
「次、御堂紫苑くん。水城朱里さんとペアね」
「はい」
「……はい…」
…あぁ、確定してしまった。
最後のペアまで発表されると、みんな荷物を持って動き始める。わたしも重い腰を上げて、おそるおそる彼の席に目を向けた。
「水城さん、よろしく」