なんで話せるようになったのかはわからねぇけど……良かった。
話せるようになって良かった……
でも、話せるようになっただけで、記憶はあるのか…?
俺の名前は言ってくれたけど……今までのこととか、自分の名前とか……
クスリを飲んだこととか覚えてんのか…?
次々に不安が押し寄せてくる。
「し、しゆー…!!にゃんか、上手く喋れにゃい……!!」
花莉はくぐもった声で必死にそう言う。
その言い方からして、自分の今の姿をわかっていないんだろう。
「…お前、自分の名前わかる……?」
そう聞くと「にゃ、にゃんで?それ聞くの?」と不思議そうに聞いてくる。
「…いいから。言って」
「…ひ、ひめの……はにゃり…」
ちゃんとわかってて良かった
という安心感と同時に
“はにゃり”
って言ったのがなんか可愛くて、思わずふっと笑ってしまう。



