ペコペコペコペコ、脳みそが散る勢いで謝りました。
「これでお許しください!」
 私は急いでスープを器によそいました。ほかの人より多め。サービスしときましたよ。
 いきなり目の前に出されたスープに目を丸くするお兄さんたち。
「いい匂いがすると思ったのはこれだったのか」
 意外と素直に受け取り、飲んでくれました。
 どんな反応をするか……ドキドキしながら見守ります。
「なんだこれ、なかなかうまいじゃないか。お前が作ったのか?」
 スープのおいしさに驚いたようです。
「これはボルドーさんのお母さんの料理です。海辺の、崖の上のお店です」
「ああ、あの店か!」
「ご存じですか?」
「なんか家があるなとは思っていたが、そうか、料理屋だったのか」
「そうなんです」
 おいしい料理は強面をも動かす。(自作ことわざ)
 お兄さんたちは「うまいうまい」と絶賛しながら、あっという間に完食してしまいました。