幼なじみでも知らない事がたくさんある。

ことに私は創祐の事を知らなさすぎるくらい知らないんだと、今思い知った。

「連絡は?ないの?」
「ない。」
「寂しくないの?」
「寂しくないよ。」

『ねえ、何で』その一言だけはどうしても聞けなかった。

「あ!」

突然の大声に私は体を飛び上がらせる。

「何!?」
「今から俺の友達来るけど、いい?」

何だ、そんな事かと胸を撫で下ろす。

さっきまでの暗い空気はいずこへか、創祐は満面の笑みを浮かべていた。

「いいけど…私の方がいていいの?」

素朴な疑問である。

我ながらつまらない質問だと思った。