君が忘れた先でまた出会う



校長の長い話を聞き流していたら、始業式は呆気なく終わった。

そして、それぞれの教室に戻り、ホームルームが行われる。

最初のホームルームは、先生の話、課題の提出、自己紹介などをしてすぐに終わった。

今日は学校自体午前中で終わる。

みんな、ホームルームが終わった瞬間ガヤガヤと話し始めた。

今日がこのクラス最初の1日だしな。

みんな、友だち作りをしているんだろう。

俺はそんなことする気ないけど。

俺はさっさとカバンに荷物をしまい、教室を出る。

……つもりだったんだ。



「あっ!高橋くん!」




聞いたことのある声がした。

このちょっと高めの声……さっき聞いたばかりだ。



「小笠原……なに?」



教室の入り口付近にいた小笠原が俺を呼び止めた。

何でこいつはさっきから俺に……

正直、めんどうくさい。



「見て!私と高橋くん、ピアスお揃いだねっ」


   
小笠原は、自分の左耳についているピアスを見せながら嬉しそうに言う。

確かにそれは、俺と一緒だった。

青いダイヤのような小さなピアス。

俺の右耳についているピアスもそれと一緒だ。

なんで……

まあ、偶然に決まってる。

こんなピアス、どこにでもありそうだし。

……でも、このピアスどこで買ったんだっけ……?



「俺、もう行く」



俺は嬉しそうに話す小笠原の横を通り過ぎる。

小笠原が俺の名前を呼んでいた気がしたが、無視した。

いちいち俺に話しかけてきて、何なんだあいつは。

俺は誰とも関わらない。

もちろん、誰かに恋なんてするわけない。

そう決めたんだ……。

小笠原は、目障りだ。