そんな光くんに私は……私は、なんてことを言ってしまったのだろう……。

 私は後悔しかなかった。


 ……そういえば、私……。

 気付いたら私は結構な距離を走り続けていた。
 生まれてから一度もそんな距離を走り続けたことはないだろうと思う距離を走り続けていた。

 私は走り続けていた足をゆっくりと止めた。

 自分の中でこんなにも長い距離を走り続けたなんて……。

 ゆっくりと足を止めた私は、ぼーっと立ち尽くしていた。

 ぼーっと立ち尽くしている私は、これから光くんとどう接したらいいのか考えようとした。
 考えようとしたのだけど……まるで身体中の力が抜き取られていくように気力が無くなり考えることができなくなってしまった。


 ……そうだ、家に帰らなくては……。

 そんな状態で、ぼーっと立ち尽くしていた私は家に帰らなければと思い、気力が無くなり力が抜けている体を無理やり動かすように足を一歩また一歩と前に進ませた。

 いつもよりも家までの道のりが遠く感じた。
 こんなにも遠かったっけ……?
 私はそう思いながら家へ向かって歩き続けた。



 そして、やっとの思い(?)で家に着いた。


「ただいま」


「おかえり」