しばらく光くんと歩き続けていた。

 笑顔の光くん。

 そんな光くんの笑顔に私も笑顔が絶えなかった。……はずなのに……。

 ……え……。

 光くんの笑顔に笑顔が絶えなかった私の目の前に……。


「梓……」


 ウソでしょ……そんな……。


「はや……と……」


 私の目の前に隼翔がいた。

 どうしよう……。


「久し……ぶり……だな……梓……元気だった……?」


「……うん、ぼちぼち……」


 どうしよう……。


「そうか……ならよかった」


「……隼翔は……?」


 どうしよう……。


「……うん?」


「隼翔は元気だった……?」


 どうしよう……。


「……ああ……オレもぼちぼち……」


「そう……ならよかった」


 どうしよう……‼


「……隼翔……」


「……うん……?」


「……私、用事があってちょっと急ぐの、だから……また機会があればそのときは……またみんなで会いましょ」


「……ああ……」


「じゃあ、また」


「……ああ……また……」


 私は一刻も早く隼翔から立ち去りたかった。