「これで間違いないわ。
ヒビキくんは...。」

「羽が生えてくる!」

「生えてこないわ!
こんなのインチキだ!!」

遺伝子検査なるものの結果、

羽が生えると判明。

「でも、どうしてヒビキくんが羽生えてるところ見えないのかな。」

「考えられるのは、羽が生える原因がミヨリたちとは違うか、あるいは。

そういった出来事に遭遇していないか。」

「そういったことってなあに?」

「興奮、よ?
気持ちが高ぶる。」

言い方...。

「え、ヒビキくん、
私がそばにいるのに、気持ちが高ぶってないの?」

「普通、何もないのにそんなに興奮しないだろ。」

「何もないって...。
あったじゃん色々。
あんなことや、こんなこと...。」

「いや、ないだろ。」

「これはにおうわね。
もしかしてヒビキくんは、感情を出しづらい性格なのかも。」

ミヨリはそれをきいて謎にショックを受けている。

いや、俺だって普通だと思うんだけど。

妖精とか、ありえないし。

「いや、ミヨリ。
あくまで今までの話は妄想...まあ百歩譲っても仮説なんだから、そんなに落ち込む必要...。」

と、言うと、ミヨリは伏せていた顔を突然上げた。

「私、決めた!」

「何を...?」

「ヒビキくんに羽根を生えさせるために、もっといい女の子になるわ!」

だから、どうしてそういう話に...。

「いいじゃないミヨリ。
頑張りなさい。」

「うん、お姉ちゃん、頑張るね!」

なんだこいつら...。

この日を境にミヨリは更に、そして、かなりめんどくさくなった。