家でも、勉強ばかりしている由希を 母は とても心配していた。

「由希ちゃん、少し休憩したら。」

塾から帰ると すぐ部屋に入って 勉強を始める由希に 母は言う。
 

「大丈夫。適当に 休んでいるから。」

そう言って 由希は、部屋に急ぐ。


勉強を口実に 一人になりたい気持ちが 強かったから。
 


がさつな母や 幼稚な妹と 話していると 由希は イライラしてしまう。

自分が 感情的になることも 嫌だったし。


家の中で 心を乱したくなかった。


“ 私は両親や妹とは違う ” いつも そんな思いが 由希の胸の中にあった。