「どこがいいの?」

「なんでそんなこと聞くの?」

「んー、なんとなく知りたいから」

「なんとなくって……」

「気になるから」

あれだけ高瀬に恋について語った敬意があるから、こういう話はほんと恥ずかしい。

「何事も一生懸命で真面目なところ、かな。あとは笑った顔とか、ふとしたときの仕草とか」

「ふーん……そ」

聞いてきといて興味がなさそう。

「もうー、この話は終わり! やめやめ!」

なんて言いながら、自分の胸に言い聞かせてる。

このまま好きでいてもツラいだけだから、早く消さなきゃ。

って、どうやって……?

もんもんとした気持ちを抱えたまま、気づけばあっという間に昼休み。

今日は天気がいいのと十月でも珍しくポカポカしてるので、中庭で美保と絶賛ランチタイム中。

「環〜、今日の帰りカラオケ行かない?」

「ごめん、今日はバイトなの。明日なら大丈夫だよ」

「明日はあたしがダメだ。残念だなぁ」

プクッと頬を膨らませる姿がかわいい。

美保って男の子からすごくモテるし、彼氏がいてもたくさんの人から告白されてる。