「ないない、付き合ってない!」

「え、でも。高瀬くんが合コンに乗り込んできて、みんなの目の前で見せつけるように熱いキスをかわしたって聞いたんだけど」

な、なにそれ、いろいろ脚色されすぎてる。

「乗り込んできたのはそうだけど、キスはしてない。キスは……」

だけどそれ以上に、もっときわどいことされたけど……。

思い出すだけで顔から火が出そうなほど恥ずかしい。

あのときから、高瀬の熱や感触が体の中にくすぶって消えてくれないの。

「顔赤いよ? やっぱりなにかあるんじゃないの?」

「な、ないぃぃ……はず!」

「日本語まともに話せてないよ?」

「……っ」

穂波って言い出したら案外頑固なの。

わたしのことを本気で心配してくれているみたいで、根掘り葉掘り聞かれちゃった。

一から説明しているうちに穂波の表情が険しくなっていくのを見て、だんだんと声が小さくなる。

「合コンのときは、それで怒った高瀬がわたしを押し倒して……」

頭の中に映像が蘇って、ドキドキした。