本当に相思相愛だったらできるかもしれない。
恋人だったらできるかもしれない。

だけど違う。
私たちはセフレ。
セックスをするだけの友達。
ましてや友達でもないの。

「いっていい?」

早漏かよ。
てかいちいち聞くな。

「早、いいけど」

本音出てますよ自分。


動きがどんどん加速する。

ギシギシ…

ベッドが揺れる。


「あ…っ」


気遣ってくれるとこ

すごい嫌い。


彼の嫌いなところ。

思いっきり甘えることができない
思いっきり抱きしめることができない


そして私の1番好きな

キスをしてくれない。


所詮、セフレだから。

そう心ではなだめる。

「あ、いきそ…」

本音だって言えない
他愛ない話だってほとんどしない


本当はもっと喋りたいし
愛感じたいし
本音を言いたいし



距離はすごい近いけど
心の距離は遠くて


とても壁を感じる。



付き合いたいとかじゃなくて
仲良くなりたいって話。



「あ、いった…」


彼がベッドから立ち上がり
風呂場へ向かった。


70点。

こういうとき虚しい。
女は満たされない。

愛を感じたいと思ってしまう。

「女ってやだなぁ…」