〔屋上で待ってる〕


仰向けで空を見てる蒼汰の横で
私はお弁当を食べる



春の心地いい風が吹いて
屋上から校庭の桜が見えた





「コロッケ?」


「ブー…ハズレ!」



蒼汰が私のお弁当に入ってるものを
匂いで当てるクイズ


当たったら食べれる




「あ、ハンバーグ!」


「あたり!」



蒼汰の口にハンバーグを入れてあげた





「それから…玉子焼き!」



「あたり!
それ、サービス問題ね
ママ、毎日入れるから」


蒼汰が口を開けた




「ハイ」




「…うん、いつもおいしい」




「ママに言っとく」







「あと…」



「あと?」



「乙…
乙の匂いする…」




「え…?」



「乙…好きだよ…」



「…うん」





「あたり?」




「あたり…」






私は蒼汰の口にキスをする