「コピーキャットは、アーティストの情報や、個人の好き嫌いとかの情報をコピーして、データで再現するものなんだけど、元は、人間に近い考え方や、心を持つような人工知能のシステムによって実験的に作られたのよ。つまり、人間に寄り添うように作られた猫型ロボットだったってわけ。」
「…これ以上変に言うと、著作に引っかかるわよ。」
「…。
人の気持ちや考えを読み取るのに長けていたってことですか。」
「そうなの。でも、そのデータが見事に盗まれて、半分悪用されちゃったって感じなのよね。全部が全部悪用って断定できないけど、泥棒されたってことは確かよ。」
「元は、そのデータ、誰が持ってたんですか。」
「私たちが所属する、大学の研究所が所持していたわ。」
「つまり、やすおの管理不足ね。」
「もお。そう言わないでよ。それに、やすこよ。」
「誰が盗んだか、分からないんですか?」
「それが、わからないのよね。
ここら辺複雑な回線が多すぎて。」
「やすお、機械音痴だから。」
何故、機械音痴が人工知能開発を…??
「でも、この町あたりが怪しいって、サイバーマンも言ってたわ。」
「サイバイマンみたいに言わないでください…。」
「とにかく、コピーキャットちゃんにその名のとおりにコピキャされちゃったってわけなの。しかも。」
「しかも…?」
「その性質が、美咲の能力に似ているのよ。
確かに、私は美咲を度々研究室に呼んで、美咲の生態を記録していたわ。」
「生態って…。人を人外認定するのはやめてよ。」
「…。
じゃあ、美咲さんの記録も盗まれてしまったんですか?」
「いえ。美咲は私独自の研究材料だし、電子記録じゃなくて、ノートにメモしてたぐらいなのよね。だから盗もうにもデータがないはずなんだけど。」
「そのノートは今どこに?」
「…あら、そういえば何処にいったのかしら。」
「…盗まれたわね。」
「…たぶん…。」
やすおさん、
危ないかもしれない。