「村田さん、そのままついでにゴミ捨てしといてもらっていい?私たち、このあとバイトあって急ぐから」

私たちのグループの今週の掃除場所は、隣の校舎と繋がる渡り廊下。

使った箒を私が纏めて掃除用具入れに片付けて、その横のゴミ箱のゴミ袋を村田さんが閉じていると、野宮さんと持田さんが声をかけてきた。


「え?」

村田さんの返事も待たずに、野宮さんたちが渡り廊下の端に置いていたカバンを拾いあげる。

ちゃっかり掃除場所にカバンを持ってきているふたりは、掃除をするフリだけしてさっさと帰るつもりだったらしい。

掃除中だって、箒を持って窓際でずっとふたりで喋っているだけだったし。

いつも他のメンバーにばかり働かせてうまくサボっている彼女たちについて、以前からどうなんだろうと思っていた。


「ふたりとも、昨日も一昨日もそう言って他の人に仕事押し付けて帰ったよね?」

事を荒立てたくなくてずっと大人しくしてきたけど、最近は昔のように、クラスメートや周りの人たちの些細な理不尽さに口を挟みたいと思うことが増えてきた。

前の学校で起きたことを星野くんに暴露してしまってから、私の気持ちはとてもスッキリしていて。そのせいもあるのだと思う。