「私に見えてたことだけが、全部正しかったかはわからないけど、星野くんがそう言ってくれるだけで嬉しいよ」
口端をほんの少し引き上げて微笑むと、星野くんが戸惑うように瞳を揺らして私から視線を外す。
「星野くんはナル側の話も聞いただろうから、もっと責められるかもって思って怖かった」
苦笑いしながらそう言うと、星野くんの視線がパッと私に戻ってきた。
そのことにちょっと驚いていると、眉を寄せた星野くんが訝しげに訊いてくる。
「ナル側の話も聞いたってどういう意味?」
「どういう、って。花火大会の翌日に、ナルに会って私が今話したのと同じ話を聞いたんじゃないの?」
「いや、聞いてないけど……」
「え?でも、見て。私、ナルから駅前のハンバーガー屋で座ってる星野くんの写真が送られてきたんだよ?」
「は?何それ……」
なんだか話が噛み合わない星野くんに、ナルから送られてきたメッセージアプリの写真を見せる。
駅前のバーガーショップの椅子に座ってスマホを弄っている星野くんを斜め後ろあたりから撮ったそれを見た瞬間、彼の顔色が変わった。



