なんだか今日は災難続きだ。
家でおとなしくしていればよかったのに、誘われてのこのことこんなところまでやってきたりするから、災厄が一気に降りかかってきたんだ。
心も身体もズタボロに痛い。
溢れ出しそうになる涙を我慢できなくて唇を噛み締めたとき、砂利が擦れる音がした。
「せっかくの浴衣なのに、ぼろぼろだな」
歩み寄ってきた星野くんが、私の正面まで来ておもむろにしゃがむ。
「ど、どうしているの?」
まさか探しに来てくれるとは思わなくて、滲みかけた涙を焦って腕で拭うと、星野くんが困ったように笑った。
「どうしてって。離れるなって言うのに、深谷が勝手にどっか行くから」
「ナルは?」
「さぁ?そんなことより、立てる?」
星野くんが私に手を差し出して小さく首を傾げる。
ズタボロだし、知られたくないことを知られて星野くんに顔向けできないくらいなのに。
星野くんの優しさに胸の奥がきゅんとした。



