「深谷、危ない!」
土手の一番下まで滑り落ちた私は、そこでドスンと勢いよく尻餅をついた。
すごく痛かったけど、それよりも通路の道を歩く人たちの注目を一斉に集めてしまって、痛みよりも恥ずかしさのほうが勝る。
情けないな。
顔を赤くしてうつむきながら、地面に手をつく。
立ち上がろうとしたけど、ぶつけたところが痛くてすぐに立ち上がれなかった。
なんとか痛みを誤魔化して立ち上がろうと頑張っていると、不意に腕がつかまれて助け起こされた。
「大丈夫か?」
耳元で星野くんの声がして、焦りや恥ずかしさとともにいろんな複雑な感情が胸を駆け巡る。



