「それにしても、男子たち遅いね。何してんだろ」

「憲ちゃんが、三人で遊んでから来るって言ってたよ」

村田さんが岸本さんに答えながらスマホを確認する。

可愛くて、いつもよりキラキラして見えるふたりのそばにいたら、自分が見劣りする気がしてそわそわとした。

誘われたとはいえ、私がこのメンバーの中に入れてもらってよかったのかな。

そんなことを考えながら、浴衣の牡丹の色に合わせて頑張って塗った足の爪に自信なく視線を落とす。


村田さんから夏休みに地元で行われる花火大会に誘われたのは、一学期の終業式の日のことだった。

最初は女子三人だけだと思っていたら、花火大会の前日になって村田さんから、星野くん、石塚くん、槙野くんの三人も一緒に行くことになったという電話がかかってきた。


花火大会のメンバーに星野くんたちが加わったことを知って、急に胸がそわそわとした。

誘いを断ってしまおうかと迷っていると、村田さんが電話越しに笑いながら、珍しく有無を言わせない口調で言った。


「友ちゃん、明日は絶対浴衣だよ」

その言葉に頷いてしまった結果、今ここに立っている。