土曜日は明後日、土曜日は明後日。
約束をしてからずっと土曜日までのカウントダウン状態の私。ああ、しんどい。早く来てほしいけど、来てほしくない。
でも、先輩に気持ちを伝える絶好のチャンスがくることになる。
榛名先輩は、私が“お友達から”と言ったのを律儀に守ってくれている。もう先に進めてくれていい。
私も、先輩が好きだから。

「最近、絶好調だね」

かほが言う。私たちは一階の自販機スペースで束の間休憩中だ。

「そんなことないよ、この前も榛名先輩に迷惑かけちゃったし。他の人にも」

ヒナタテレビの失敗の件は、私には根深い反省点だ。

「でも、前はその規模の仕事を任されることもなかったんだよ。その点は大進歩だと思うけどなあ。うちの班長も、里乃子のひとり立ちは近いんじゃないかって言ってたし」

他班の班長にそんなことを言ってもらえたら嬉しいけど。どうなるのかな。ひとり立ちってことは、先輩と組んで仕事はできなくなっちゃうのかな。相棒みたいな今の状態、好きなんだけどな。

「へえ、成果出てるんじゃーん」

そう言って自販機スペースに入ってきたのは花凛だ。経理は一階にあり、休憩の時はここに来る。
一緒にいるのは同期の佐橋くんだ。営業五課に所属してるけど、外出の戻りかな。