そこからは大騒ぎだった。
客先からすっ飛んで帰ってきた榛名先輩とともに、ヒナタテレビに連絡。担当はメールを忘れていたとあっけらかんと言ったものの、スケジュールはまったく譲る気がないと言い張り、私と先輩は手分けして方々に頭を下げまくり、回復の方策を練った。
榛名先輩は厳しく私を叱責した。なにしろ、とびきり急ぎの案件を電話で受けておいて放置したのだから。優先度を判断できないなら連絡すべきだったのだ。それなのに、先輩への気まずさという完全に個人的な感情で連絡を怠った。
「だが、向こうの担当のメールがなかったことと、予見できず外出してしまった俺の落ち度でもある」
先輩はそう言って庇う姿勢も見せてくれた。
用田課長や営業部の部長まで手を貸してくれ、最悪の結果は免れたものの、進行中の仕事はストップややり直しが発生し、クライアントにも謝罪に行くことになった。私の判断の甘さ、私の個人的な感情で、多くの人に迷惑をかけてしまった。
その日、深夜私は居残り仕事をしていた。私にできる仕事を進めておかなければ。明日もきっと忙しくなるのだから。
ひとりきりのオフィス。涙が滲んだ。
大失態だ。私のせいで、みんなが迷惑を被った。榛名先輩の評価も下がった。私のせいだ。
榛名先輩が女性といたからって、パニックに陥って、先輩と話したくないから連絡しなかった。馬鹿じゃないの?子どもみたいなことでみんなを巻き込んで。
最低。消えてなくなっちゃいたい。
涙がぱたぱたと膝に落ちる。
榛名先輩、ごめんなさい。
「行永」
呼ばれて振り向くと、榛名先輩がそこにいた。さっき課長たちと退勤していったはずなのに。
客先からすっ飛んで帰ってきた榛名先輩とともに、ヒナタテレビに連絡。担当はメールを忘れていたとあっけらかんと言ったものの、スケジュールはまったく譲る気がないと言い張り、私と先輩は手分けして方々に頭を下げまくり、回復の方策を練った。
榛名先輩は厳しく私を叱責した。なにしろ、とびきり急ぎの案件を電話で受けておいて放置したのだから。優先度を判断できないなら連絡すべきだったのだ。それなのに、先輩への気まずさという完全に個人的な感情で連絡を怠った。
「だが、向こうの担当のメールがなかったことと、予見できず外出してしまった俺の落ち度でもある」
先輩はそう言って庇う姿勢も見せてくれた。
用田課長や営業部の部長まで手を貸してくれ、最悪の結果は免れたものの、進行中の仕事はストップややり直しが発生し、クライアントにも謝罪に行くことになった。私の判断の甘さ、私の個人的な感情で、多くの人に迷惑をかけてしまった。
その日、深夜私は居残り仕事をしていた。私にできる仕事を進めておかなければ。明日もきっと忙しくなるのだから。
ひとりきりのオフィス。涙が滲んだ。
大失態だ。私のせいで、みんなが迷惑を被った。榛名先輩の評価も下がった。私のせいだ。
榛名先輩が女性といたからって、パニックに陥って、先輩と話したくないから連絡しなかった。馬鹿じゃないの?子どもみたいなことでみんなを巻き込んで。
最低。消えてなくなっちゃいたい。
涙がぱたぱたと膝に落ちる。
榛名先輩、ごめんなさい。
「行永」
呼ばれて振り向くと、榛名先輩がそこにいた。さっき課長たちと退勤していったはずなのに。



