「美味い」
ひと口食べてすぐに反応をしてくれる先輩。
「ほとんど市販のソースの味ですみません。野菜入れた分、味足しましたけど」
「そのバランスがいい。里乃子は料理もできるのか」
純粋に感心してくれる先輩に私は胸を押さえたくなる。うう、そんなこと言ってくれるなら、彼女の定番・肉じゃがとかお味噌汁とか、料理しました感が出るものを作ればよかったあ。次来てもらうときは、絶対手をかけたものを食べてもらおう。それで、褒めてもらうんだ!
「足りましたか?多めにゆでたつもりなんですけど」
「充分だ。昼が重かったから、正直、夕飯は悩んでいた。里乃子の手料理が食べられて嬉しい」
大きく表情に変化はないけど、一緒にいるときの先輩は空気が柔らかい。私が隣にいてもいいんだってわかる。受け入れられているのが伝わってくる。
オフィスで厳しく突き放されている分、このギャップに思うところがあるのも事実。たぶん、この胸が疼く感じが“ときめき”なんだと思う。
今日のデートで、いっそう先輩と近づけた気もする。この恋を終わらせるべきと考える自分と、もう少しこのまま恋愛の喜びを教えてほしい自分がいる。
でも、それって榛名先輩に失礼にならないかな。
どこかで利用しているような気がしてしまって、その部分が引っかかる。
「コーヒー淹れますね」
食後、私はお湯を沸かしインスタントコーヒーの準備をする。お客さん用のティーカップがないので、家族や友人が遊びに来た時用のマグカップを出す。
マグカップがふたつ並ぶとカップルっぽいぞ。うう駄目だ、意識しないようにしよう。
ひと口食べてすぐに反応をしてくれる先輩。
「ほとんど市販のソースの味ですみません。野菜入れた分、味足しましたけど」
「そのバランスがいい。里乃子は料理もできるのか」
純粋に感心してくれる先輩に私は胸を押さえたくなる。うう、そんなこと言ってくれるなら、彼女の定番・肉じゃがとかお味噌汁とか、料理しました感が出るものを作ればよかったあ。次来てもらうときは、絶対手をかけたものを食べてもらおう。それで、褒めてもらうんだ!
「足りましたか?多めにゆでたつもりなんですけど」
「充分だ。昼が重かったから、正直、夕飯は悩んでいた。里乃子の手料理が食べられて嬉しい」
大きく表情に変化はないけど、一緒にいるときの先輩は空気が柔らかい。私が隣にいてもいいんだってわかる。受け入れられているのが伝わってくる。
オフィスで厳しく突き放されている分、このギャップに思うところがあるのも事実。たぶん、この胸が疼く感じが“ときめき”なんだと思う。
今日のデートで、いっそう先輩と近づけた気もする。この恋を終わらせるべきと考える自分と、もう少しこのまま恋愛の喜びを教えてほしい自分がいる。
でも、それって榛名先輩に失礼にならないかな。
どこかで利用しているような気がしてしまって、その部分が引っかかる。
「コーヒー淹れますね」
食後、私はお湯を沸かしインスタントコーヒーの準備をする。お客さん用のティーカップがないので、家族や友人が遊びに来た時用のマグカップを出す。
マグカップがふたつ並ぶとカップルっぽいぞ。うう駄目だ、意識しないようにしよう。



