ゲーセンの隅で、嬉しそうに恥ずかしそうに頬を染める先輩は、身体の奥底からむずむずしてくるくらい可愛い。
「映画、またにするか? ほしいものがあったら取るぞ」
「いいんですか?」
「全部は無理だ」
それから私たちは池袋の何軒ものゲームセンターを回ってプライズ景品を取りまくった。榛名先輩は本当に上手で、台の見極めから、テクニックまで徹底している。お兄さんの方が上手だと言っていたけど、ふたりでどこまで修行したのかな。
二時間ほどで私は大きなビニール袋二つ分の景品を手にしていた。
「……やりすぎた」
榛名先輩が愕然として言う。途中から私も先輩も楽しくなってしまって、ゲーセンハイみたいになっていた。こんなにたくさんの荷物があったら、どこにも行けないよなあ。
「夕食はまた今度にするか。里乃子をタクシーで送るよ」
そう言う先輩に提案する。
「あの、それなら我が家でごはん食べて行きませんか?簡単なパスタくらいならすぐにできますよ」
家には軽々しく行けないってこの前言われたばかりだけど、私たち少しずつ進展してるじゃないですか。仲良くなってると思う。
何があるわけじゃないし、うちに来てくれてもいいのに。……と思うんだけど駄目?
「こんなにたくさん取ってもらって、御礼もしたいです」
「いや、それもひとり暮らしには荷物だろう」
「小さいものも多いですし、大丈夫ですよ。大きなぬいぐるみのうち、これなんかは同期の皆川が好きなものです。プレゼントしてもいいですか?」
「それはいいが、……本当に里乃子の家に行っていいのか?」
先輩の態度が変わった!よし、もうひと押し!
「映画、またにするか? ほしいものがあったら取るぞ」
「いいんですか?」
「全部は無理だ」
それから私たちは池袋の何軒ものゲームセンターを回ってプライズ景品を取りまくった。榛名先輩は本当に上手で、台の見極めから、テクニックまで徹底している。お兄さんの方が上手だと言っていたけど、ふたりでどこまで修行したのかな。
二時間ほどで私は大きなビニール袋二つ分の景品を手にしていた。
「……やりすぎた」
榛名先輩が愕然として言う。途中から私も先輩も楽しくなってしまって、ゲーセンハイみたいになっていた。こんなにたくさんの荷物があったら、どこにも行けないよなあ。
「夕食はまた今度にするか。里乃子をタクシーで送るよ」
そう言う先輩に提案する。
「あの、それなら我が家でごはん食べて行きませんか?簡単なパスタくらいならすぐにできますよ」
家には軽々しく行けないってこの前言われたばかりだけど、私たち少しずつ進展してるじゃないですか。仲良くなってると思う。
何があるわけじゃないし、うちに来てくれてもいいのに。……と思うんだけど駄目?
「こんなにたくさん取ってもらって、御礼もしたいです」
「いや、それもひとり暮らしには荷物だろう」
「小さいものも多いですし、大丈夫ですよ。大きなぬいぐるみのうち、これなんかは同期の皆川が好きなものです。プレゼントしてもいいですか?」
「それはいいが、……本当に里乃子の家に行っていいのか?」
先輩の態度が変わった!よし、もうひと押し!



