「あれ、ほしいのか?」
榛名先輩が私の視線の先を見て言う。
「いえ、大丈夫ですよ!」
きっと先輩には興味ないことだ。
「取ろうか?」
「これから映画ですし」
「まだチケットを取ったわけじゃないから平気だ」
榛名先輩はずかずかと台に近づいて行く。いやいや、そんなに簡単に取れるものじゃないでしょ。先輩はきっとこういう遊びも知らないんだろうな。だから、簡単に景品を取って私にプレゼントできると思っているに違いない。
「傑さん、お金無駄にしちゃうから……」
ところが榛名先輩は、台のアームや景品の角度を見ている。
「新しい台の割に設定が甘そうだ。サービスかな」
ぼそりと呟く声が聞こえ、私が止める間もなく小銭を投入する榛名先輩。
驚いた。榛名先輩は見事、私のほしいキャラクターのぬいぐるみを捕まえ取り出し口にぼとんと落としてくれた。
「え?ええ?すごい!」
一撃必殺だった。しかも、先輩は一切のドヤ顔もなしに言うのだ。
「あと二回ある。奥のキャラクターなら取れると思うがどうする」
ええ?もう一個取れるの?嘘でしょ。
「お、オネガイシマス」
私が見守る中、先輩は一度目でぬいぐるみの角度を変え、二度目でしっかりキャッチして取ってくれた。
「傑さん、すごい~!上手~!」
ぬいぐるみを両手に、感動のあまり大きな声で褒め称えると、榛名先輩がようやく照れくさそうにうつむいた。
榛名先輩が私の視線の先を見て言う。
「いえ、大丈夫ですよ!」
きっと先輩には興味ないことだ。
「取ろうか?」
「これから映画ですし」
「まだチケットを取ったわけじゃないから平気だ」
榛名先輩はずかずかと台に近づいて行く。いやいや、そんなに簡単に取れるものじゃないでしょ。先輩はきっとこういう遊びも知らないんだろうな。だから、簡単に景品を取って私にプレゼントできると思っているに違いない。
「傑さん、お金無駄にしちゃうから……」
ところが榛名先輩は、台のアームや景品の角度を見ている。
「新しい台の割に設定が甘そうだ。サービスかな」
ぼそりと呟く声が聞こえ、私が止める間もなく小銭を投入する榛名先輩。
驚いた。榛名先輩は見事、私のほしいキャラクターのぬいぐるみを捕まえ取り出し口にぼとんと落としてくれた。
「え?ええ?すごい!」
一撃必殺だった。しかも、先輩は一切のドヤ顔もなしに言うのだ。
「あと二回ある。奥のキャラクターなら取れると思うがどうする」
ええ?もう一個取れるの?嘘でしょ。
「お、オネガイシマス」
私が見守る中、先輩は一度目でぬいぐるみの角度を変え、二度目でしっかりキャッチして取ってくれた。
「傑さん、すごい~!上手~!」
ぬいぐるみを両手に、感動のあまり大きな声で褒め称えると、榛名先輩がようやく照れくさそうにうつむいた。



