『命へ

これを呼んでるって事は、
僕はもうそこにはいないんだろう。
陽介のバカ面が拝めないのはちょっと残念だけど、アイツにこの手紙を託してみました。
無事届いているかな?

僕はもう長くないけど
それでも命に後悔して欲しくなくて、
この手紙を書きました。

命。僕を好きになってくれてありがとう。
沢山話を聞いてくれてありがとう。

本当は出会った頃、あのフェンスから飛び降りてしまいたかったのは僕の方だったんだ。
自覚はないんだろうけど、それを命が止めてくれた。
病気で死ぬより先に、
死にそうだった僕を助けてくれたのは命なんだ。

だから、どうか、僕に出会った事を後悔しないで欲しい。
僕は君に出逢えて幸せでした。

いつか死ぬ前に伝えたかった。

愛してる

深山 秋』