それから、私は毎日のように屋上ではなく中庭へと通いだした。
ここのフェンスは高くて登れないけれど、
みーちゃんがいると思うと放っておけなくて
子猫用のご飯やおもちゃとともにここにやってくる。

「あ〜、今日も命に先越されちゃったぁ」

そして毎日、私に先を越されてしょんぼりとする秋の姿を見るのが日常になった。
どうやら彼は屋上が好きで着いてくるのではなく、本当に純粋に私をとっつきやすいと思って着いてきていたようで、
あれからとんと屋上の話は会話に上がらなくなった。