こうして、一ヶ月かけて準備してきたクリスマスイベントは無事に終わり、ウィル・オー・ウィスプのイルミネーションもネット上の反響が大きかった。
リム君は死神の本業に加えてレストランの接客や清掃を手伝ってくれるようになり、また少し賑やかになったことを嬉しく思う。
やがて年の瀬も迫り、新たな年をこの店で迎えるためにあらゆる方法を考え、やっと役人たちに対抗するひとつの策を思いついた私。
どのような発表の仕方が一番効果的か相談しようと、雑誌記者のグレンダさんに連絡すると、彼女は私の選んだ方法にとても驚いていたが、なんでも協力をすると申し出てくれた。
そして、来たる大晦日前日。《レクエルド》には、決起集会と称して仲間たちが集まっていた。
「俺とマクまで呼んでくれてありがとねぇ。マクは好き嫌い激しいけど、俺はなんでも食べるから〜!」
「お二人にはお世話になったので招待するのは当然です。好きなのをとって楽しんでくださいね。ヴァルトさんの料理は絶品ですから」
ふたりがけの長椅子に座るのは、ラウガーさんだ。
過去に飛んだ経緯を知っている彼は目の前に座るメディさんに興味津々で、「私の痴話喧嘩で、どうもすみません」なんて挨拶をしているメディさんが可愛らしい。



