そんな特殊護衛団に所属する私、リオ。


屈強な男たちばかりの特殊護衛団にいる、唯一の女だ。


色々あって昔から特殊護衛団に所属しているが、私の存在を知る者はかなり少ない。


王家の方々と、使用人、護衛団の騎士達。


あとは親交の深い貴族のみ。


まあそんな事どうでもいいんだけどね。


私は音を立てないように、お城の広い廊下をそっと覗く。


よし、誰もいない。


廊下は相変わらずピカピカに掃除されている。



「あの、リオ様?そんな所で何をなさっているのです?」


「わっ!ローズ!ちょ、声が大きい!」



突然背後から聞こえてきた声に慌てて振り向けば、そこに居たのは使用人のローズ。


明らかに不審な動きをする私を見て、首を傾げている。



「もしかして、また騎士団長様から逃げてきたんですか?」


「ッ違うよ?散歩散歩!そんなことより、さすがローズ。この廊下とっても綺麗だね!!」


「それはどうもありがとうございます。」



アハハと笑ってみせる私に、ローズは怪訝な目を向ける。


普段のローズはメイド服が似合う優しいお姉さんだが、こういう時はとても鋭い。