満足そうに笑うレイラ様は、どこからか大きな鏡を取り出して私に向ける。



「ほら、とっても可愛いわ。」


「すごい...。」



訓練のためにひとつに結っていた髪は、ふわりとしたハーフアップにまとめられていた。


本当に別人みたい。


髪型でこんなに雰囲気が変わるんだ。



「とてもよく似合っているな。」



ロイド様にも褒められて、なんだか少し照れくさくなってしまう。



「あ、ありがとうございます。...それで、私を呼んだご要件とは?」


「うむ。君に頼みたいことがあるんだ。」


「はい。なんなりとお申し付けください。」


「ありがとう。頼もしいよ。じゃあ早速だが、私達に息子がいることは知っているね?」



ロイド様とレイラ様のご子息と言うと、この王国の王子様だ。


もちろん知っているが、お会いしたことはない。


なんでも、幼い頃から他国に留学に行っているとか。


とても優秀なお方だと聞いたことがある。



「はい。存じております。」



しっかりと頷けば、ロイド様は優しく微笑んだ。



「その息子が、もうすぐ帰って来るんだ。そこでリオ。君に彼の専属護衛を頼みたい。」