腕まくりしたアナタ




「美愛。」







まどかと廊下を歩いていると後ろから私を呼ぶ声が聞こえた。







振り返ると、海里さんが友達と歩いてきた。







「キャプテン、おはようございます!」








「細井、おはよ。美愛と同じクラスだったんだな。」








「はい。いや〜ごめんなさい!美愛取っちゃって」







まどかはこんな感じでいつも海里さんと私を取り合うような会話をする。







「ははっ!それは困ったな〜。」







海里さんもいつも乗っかる。







「あ、美愛。今日俺、LHR終わったら木内先生に呼ばれてるから、そのまま現地集合でいい?」








「うん、大丈夫だよ。試合の話?」








「そう。総体の組み合わせが決まったらしくてさ。それについてミーティング。」







「いよいよですね!」







「あぁ。美愛も細井も今までありがとうな。」








「何言ってるの!夏まで進むんでしょ?そんな悲しいこと言わないで。」







私は海里さんの肩に軽くグーパンしてやった。







「ははっ。当たり前だ!負ける気なんかねーよ。」







海里さんはお返しにと私の髪をくしゃっと乱暴に撫でた。