体育館に辿り着いたときには、既にチームメイトがフロアを駆け抜けていた。
入り口で立ち尽くしたまま肩で息をしていると、丁度試合終了のブザーが鳴り響く。
《ただいまの試合・女子バスケットボールの部は、14対26で1-Aの勝利、決勝戦進出です!!》
歓喜に湧く館内は、初戦の時より随分人が集まっていた。初戦敗退したクラスメイトたちが応援に駆け付けたみたいだ。見知った面子と喜びを分かち合いながら、服の袖や襟元で汗を拭うチームメイトの姿が見える。
そこでチームメイトのナツ、こと草薙奈津と目が合った。
「今更何しに来たの」
「、」
「自分がいなくても何とかなると思った? 試合なんてどうにでもなっちゃえって? どうせ力になれないならいなくなって困らせてやろうって思ったわけだ」
「ナツ!!」
言いすぎだよ、と背後から姿を現したのは、リサを含むチームメイトのフミとサラだ。私が呆然としていると、リサがおずおずと切り出す。
「…小津さん、どこ行ってたの? すごい探したんだよ。5人じゃなきゃ試合は出られないから、臨時でバレー部の子に加わってもらったの」
「お陰でいつもよりスムーズに試合出来たよ」
「ナツってば!」
「だから言ったんだよやる気ない奴は初めからやめろって!!」
突然の怒号に、辺りがシンと静まり返る。
「大っ嫌いなんだよおまえみたいな生半可な気持ちで覚悟もないのに首突っ込んでくるやつ! 本気でやってる人間何だと思ってんだよ、いい加減にしろよ!!」
「………、ごめん」
「もういいよおまえ」
もういらない。
「ここ数日練習したって、一つも上達しなかったじゃん。向いてないんだよ、努力したって無駄。いらない」
どん、と肩にぶつかり横を通り抜けていく草薙さんに、目を瞠る。
…いらない。いらないんだ私。
努力したって無駄。全く上達しなかった。確かに、そうだ。
バスケなんて好きじゃない。球技なんか糞食らえ。向いてないし、センスもない。やる気なんて毛頭、
でも。
“───両手に力入れんな、軸を見失う”
“───利き手に集中して”
“────言ったろ、理屈派もありだって”
あの日々は、
本当に無駄だった?



