————————— —————— ——— 黒の万年筆のボディに、室内灯の光が反射する。 自室のベッドを背もたれに、指先で凛花(りんか)からもらったそれを掲げていた智也(ともや)はしかし、 遠くから聞こえた救急車のサイレンにはっと目を見開いた。 雨の路上。赤い点滅灯。鳴り響くサイレン。人混み。病院。 ———…蹲(うずくま)って耳を塞いだ自分の肩に手をかけた、 〝…お前は全部、〟 『俺のせいにしろ』 藤堂。